左利き

サッカーを観るとき、どうしても左利きの選手に目がいってしまう。左利きは矯正するのが当たり前の時代に育ったボクにとって、矯正とは無縁の左足を自在に扱う左利きのサッカー選手は憧れの的なのだ。

利き手

最近では、左利きを矯正すると吃音になるという理由で、「保育園では左利きの子供にはそのまま左手で鉛筆や箸を持つように教える」なんて話もあるようだ。自分の利き手を自由に使えるなんて、うらやましい限りだ。利き手でない右手で鉛筆や箸を持つように教えられ、右手でキャッチボールする練習までさせられたボクのような子供には、利き手を自由に使えるという世界が夢のように思える。

利き足

利き手の使い方が制限される左利きにとって、利き足を自由に使えるサッカーに興味をもつことは、ある意味で自然なことかもしれない。利き手が使えない反動からなのか、頑ななまでに左足しか使わない左利きも多い。

左利きのサッカー選手

野球に比べてサッカーの方が、左利きの選手のできるポジションに制限がない。だからといってフィールドプレーヤーの左利きの選手が多過ぎると、チームのバランスが悪くなってしまうことが多い。チームのバランスを考えると、フィールドプレーヤーの内の2人か3人が左利きというのが妥当だろう。

リバプールの左利きの選手

Jose Enrique of Liverpool competes with Liam Feeney of Bolton Wanderers during the FA Cup Fourth Round match between Liverpool and Bolton Wanderers...

 

リバプールの左利きの選手を振り返ってみると、ケガに泣かされた選手が多い。大きなケガをせずにキャリアを過ごせたのはリーセくらいではないか?ベルガ―、アッガー、ファビオ・アウレリオ、エンリケ。ケガさえなければ、リバプールでもっと活躍できた選手ばかりである。

とくに、エンリケは移籍してきた当初のパフォーマンスが印象的だっただけに残念である。相手と競り合いの場面で、体をぶつけられても両足で踏ん張ってボールをキープするシーンが多く、相手のぶつかる衝撃と自分の体重を両膝で支えるようなかたちになってしまうことが多かった。そのために、膝に負担がかかりすぎて大けがを負い、キャリアの大半をリハビリに費やす羽目になった。相手と競ったときに、うまく受け身をとりながら倒れる術を身につけていれば、違ったキャリアを過ごせたかもしれない。

アルベルト・モレーノとモハメド・サラ―

 

Alberto Moreno of Liverpool in action during the Premier League match between Tottenham Hotspur and Liverpool at Wembley Stadium on October 22 2017...

 

チームの成績がパッとしない今シーズンのリバプールのなかにあって、モレーノとサラ―、この二人の左利きはよくやっている。

モレーノは、自身の気持ちの強さを証明するかように、攻守によく走り回っている。後先を考えずに、「とりあえず両足でタックルしてみました」みたいな危険なタックルもしなくなり、プレーに安定感が出てきた。

サラ―はチーム最多の得点を決めていて期待通りの活躍をしている。しかし、どうしても決めきれなかった決定機が多い印象を拭えない。

調子がいいと無理がきいてしまうので、ケガにつながりやすい。二人ともケガには注意してプレーしてもらいたい。

 

左ききは「救世主」!?

左利きの人は右利きの人に比べて空間認識度が高いという研究データもあるらしい。リバプールの窮地を救うのは、左利きの選手かもしれない。これまでほとんど活躍していないダニエル・スタリッジさん、出番ですよ!!