マーサが走ればガリレオは回る

 

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ビートルズの「ザ・フール・オン・ザ・ヒル」は、ポールの飼い犬「マーサ」と科学者「ガリレオ」をヒントにして書かれたという。その曲を何度も聴き返すうちに、「ザ・フール」が「三年寝太郎」の姿にダブるようになった。

 三年寝太郎

干ばつに苦しむ村に、周囲の怒りを買いながらも仕事をせず、3年3カ月にわたって眠り続ける男がいた。その男がある日突然起きだして、山に登って巨石を動かし、その巨石で川をせき止めて流れを変え、村の田畑に川の水をひきいれて、村の窮地を救った。

この話の主人公である寝太郎は、ただ単に寝ていたのではなく、村の窮地を救う方法をひたすら試案していたのであった。周囲からどう思われるかということには目もくれず、ただ自分のなすべきことに集中していたというわけである。

ガリレオ

ガリレオは、物理や天文の研究では天才的だったものの、世渡りが下手で敵を多く作ってしまい、地動説を理由に異端審問にかけられてしまったひとである。

異端児

三年寝太郎もガリレオも、世渡り上手な人から見れば、変わり者でバカにしか見えなかったのだろう。しかし、三年寝太郎もガリレオも、周囲の目を気にすることなく、己のやるべきことを見失わなかった。

それでも地球はまわっている

飼い犬のマーサは、同じところを飽きもせず、グルグルと回っている。三年寝太郎も、ガリレオも、自分たちで作った道をグルグルと回っている。そうやって、地球はまわっている。そうやってまわっている地球を眺めているうちに、今日も日が暮れていく。

マーサが走ればガリレオは回る

❝身体の内側には小宇宙があって、中心に「ガリレオ」という小さな天体がある❞という想像をしてみる。その小宇宙には、「ガリレオ」の周りを飽きることもなくグルグルと回る「マーサ」がいる。そして、「ガリレオ」も「マーサ」と連動して回り始める。

どうやら「ザ・フール・オン・ザ・ヒル」の世界に迷い込んだみたいだ。